代表取締役社長
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人材勧誘部
鳴神学園殺人クラブ調査報告書
――殺人クラブ部員の調査結果及び勧誘結果報告――
はじめに
当社株式会社霊界の人材調達の場おいて、量・質共に高い水準を保つ鳴神学園であるが、今回は特に当社にとって多くの人材を提供してくれた殺人クラブに当社の感謝の気持ちを表すと共に、その働きをかって当社に就職を勧めたその結果をここにご報告します。
殺人クラブとは、その名の通り人を殺めるのが部活内容です。
活動理由は、エリートである部員が邪魔者を殺め、この世を楽園とするために部活動を行っているようです。
その活動理由は、当社と共通するところがあり、ぜひとも当社に入社してほしいものです。
ですが、今までの恩があるため、入社については部員個人の意思を尊重することにしました。
結果の詳細は以下に示します。
殺人クラブ概要
(1)詳細な活動内容及びその実行方法
殺人クラブの活動内容は、上記でも述べましたように人を殺すのが活動内容です。
人間からしてみれば非人道極まりないものでありましょうが、当社にとっては彼らは貴重な人材提供者です。
彼らの標的となる人間は多種多様で、学校という閉鎖的空間内においても様々な人間を集めてくれています。
また、殺人行為の実行方法も多岐に渡り、その内容は大きく2つに分かれます。
七不思議の集会に標的を参加させて部活動をする方法、早い者勝ちで標的を殺める方法です。
前者は、殺人クラブ部長である日野貞夫が新聞部の部長であることを利用し、新聞部の企画として七不思議を話す(あるいは、聞く)という形式に則っています。
七不思議の集会には日野貞夫以外の部員六名が集められ、誰であろうとも六話目を話すことになった部員が標的を図書館へと連れて行き、そこで今までの罪の懺悔をさせられます。
その後、標的は物理的暴力により気絶させられ、再び新聞部室へと連れ戻されます。
意識を取り戻した標的は、強制的に毒薬を飲まされ、そしてアンプル(解毒薬)を探すために校舎中を探し回ることとなります。
毒薬のせいで制限時間がわずか四時間半しかないなかで、アンプルを探し、かつ自分を殺そうとしてくる殺人クラブ部員から逃げ切らなければならない。
これは、七不思議の怖い話の七話目としては十分なものでしょう。
部長である日野貞夫のユーモアのセンスが伺えます。
後者は、開始日を決めてその日から各自標的を仕留めようとします。
その方法は様々で、たとえば相手宅に侵入し標的を殺そうとします。
その場合は、警察等に助けを求められるのを未然に防ぐために、標的の両親を人質にとるパターンが多いです。
この方法で部活動を行う場合、標的を盗られまいと部員同士での争いがあったり、部員同士で同盟を組んだりすることがあります。
その際の争いで、部員が死に至るケースも過去にあったようです。
標的に選ばれる生徒は、大抵部員の恨みを買っている場合が多く、その恨みを書き連ねた「恨みノート」を新聞部部室内で発見しました。コピーしてきましたので、別紙資料「殺人クラブ恨みノート内容」をご覧ください。
(2)部員について
今現在の殺人クラブ部員は、学年順に日野貞夫、新堂誠、岩下明美、風間望、荒井昭二、細田友晴、福沢玲子の計七人です。
また、調査中に発覚したことですが、日野貞夫が新たに二名を殺人クラブに勧誘していることがわかりました。
一年生の坂上修一、倉田恵美です。
どうやら二人は殺人クラブの標的になったのですが、見事逃げ切ったらしいです。
その手腕を部長の日野氏に買われて、部員に誘われているようです。
部員と部員候補のプロフィールを載せておきます。
日野貞夫(ひの さだお)
年齢:17歳(1978.2.17.-)
クラス:三年F組
身体:178cm・67kg ♂ AB型
好きな/嫌いな食べ物:ボルシチ、大トロ/蟹、海老
殺人クラブ部長兼新聞部部長。
裏表がはっきりしない切れ者で、頼れる先輩としての側面を持つ一方、様々な意味で語り部達の取り纏め役を担っていることが多いです。
また、同性愛者の兆候が見られます。
坂上君がお気に入りのようで、部活に誘っているのはその能力を利用しようとしているだけではないようです。
部活動で使う武器は、基本的には何でも使えるようですが、刀などの相手を切り裂くための武器を愛用しているようです。
新堂誠(しんどう まこと)
年齢:17歳(1977.7.27.-)
クラス:三年D組
身体:175cm・69kg ♂ A型
好きな/嫌いな食べ物:ぶり大根、たこ焼き/辛いもの
頼れる兄貴タイプでちょっと不良っぽく、部員の中では比較的常識人かつ行動派です。
わりと凄みがきいていますが、義理人情に厚く、後輩への面倒見も良い人です。
しかし、その容姿からかあまり良い噂がなく、それが原因で喧嘩をしてしまい、そしてまた悪い噂が……という悪循環があります。
武器はバッドやナイフなど様々で、その日の気分によって変わるようです。
岩下明美(いわした あけみ)
年齢:18歳(1977.5.7.-)
クラス:三年A組
身体:161cm・?kg ♀ B型
好きな/嫌いな食べ物:アボカド、セロリ/肉、魚
美人ですが近寄りがたい雰囲気を持っています。
かなりの現実的思考の持ち主で、彼女の興に召さない時は、はっきりとした形で厳しい言葉を投げかけてくることが多いです。
また、嘘を付くことや約束を破ることに対して嫌悪感を抱く傾向が非常に強いです。
武器はカッターのみでした。部活動のない日でもカッターを常に所持しています。
なぜカッターなのかはわかりませんでしたが、明らかに市販で売っているカッターよりも強度が高いようです。
風間望(かざま のぞむ)
年齢:17歳(1978.3.3.-)
クラス:三年H組
身体:181cm・66kg ♂ AB型
好きな/嫌いな食べ物:スキヤキ、ラーメン/なし
つかみどころのない性格の謎多き男性です。
金持ちを匂わせる言動・行動が多々ありますが、細かいお金にこだわる守銭奴でもあります。
かなりのナルシストで、フェミニストなため、女性には優しいですが、男性に対してあまりいい態度はしません。
容姿は自他共に認める美形ですが、影では喋らなければ、とつくことも多いです。
武器は何でも扱えるようですが、拳銃などの一般の人では手に入らないようなものも所持していました。
また、調査中に発覚したことですが、どうやら彼は人間ではないらしいです。
その正体は、スンバラリア星人なる宇宙人であると本人より聞きました。
スンバラリア星人は地球を征服し、人間たちを家畜として支配しようとしているようです。
詳しいことはわかりませんでしたが、彼はそのスンバラリア星人の調査隊員のらしいです。
荒井昭二(あらい しょうじ)
年齢:16歳(1978.11.18.-)
クラス:二年B組
身体:160cm・52kg ♂ B型
好きな/嫌いな食べ物:アスパラ、牛タン/ニンニク、トマト
暗く陰ある少年で物静かな口調で話し、常に俯いています。
普段はおとなしいですが、怒らせると危険なタイプでもあり、意外と問題発言が多いです。
文学、音楽、映画、心理学などの文系方面のみならず、理系にも渡る広い分野の教養を持っており、玄人を気取った発言も多いです。
いい加減な風間望とソリが合わないのか、険悪な仲のようです。
彼は屋上に対して執着心があるらしく、屋上でよく見かけます。
この方も何でも扱えるようですが、特に鎖鎌を愛用しています。他に拷問等にも精通しているらしく、その手の器具も持っているようでした。
細田友晴(ほそだ ともはる)
年齢:16歳(1978.8.1.-)
クラス:二年C組
身体:172cm・103kg ♂ O型
好きな/嫌いな食べ物:ローストンカツ定食大盛り/キャベツ、煮魚
穏やかな雰囲気を持ったふくよかな男ですが、時に粘着質な面も見せます。
「友達」にこだわる男であり、何かしら危険な誘いをかけることが多いです。
彼を探す場合は、トイレを探すといいでしょう。
彼は七不思議の怖い話で必ずトイレが絡む話をするほど、トイレが好きなようです。
彼は武器としてテェーンソーをよく扱います。
福沢玲子(ふくざわ れいこ)
年齢:15歳(1979.10.21.-)
クラス:一年G組
身体:152cm・?kg ♀ A型
好きな/嫌いな食べ物:ミートドリア/ブロッコリー
元気で無邪気な性格です。
意外と冷めたところがあり、笑顔のまま、怖い話を語るようなところがあります。
また、変わった友達が多いらしいです。
彼女は病気の御爺様のもとに毎日通いつめているようですが、看病のためではなく「生と死に関する百日の動向」というレポートを書くためのようでした。
内容は、死に追い詰められた人間の行動や心理の変化を細やかに記録したもので、何かの役に立つかと思い、これもまたコピーしてきました。別紙参照してください。
彼女も武器はなんでも扱います。父親のものと思われるゴルフクラブやシャープペンを使うなど、身の回りのものが多いようです。
坂上修一(さかがみ しゅういち)
年齢:15歳(1979.9.18.-)
クラス:一年E組
身体:156cm・47kg ♂ A型
好きな/嫌いな食べ物:ハンバーグ、コーンバター/セロリ、ニンジン
新聞部に所属しています。
一見気弱な普通の少年ですが、窮地に追い込まれると、自らも意識してしない危険な本性が出るという側面があり(通称、覚醒坂上)、鳴神学園ではある意味一番の要注意人物と言えるでしょう。
倉田恵美(くらた えみ)
年齢:15歳(1979.12.14.-)
クラス:一年I組
身体:144cm・?kg ♀ O型
好きな/嫌いな食べ物:カレーライス、おでん/クリームシチュー
表向きは控えめでおとなしい彼女は、その実は内心で自分勝手な思い込みが渦巻き、思い込んだら止まらない妄想暴走キャラです。
坂上君に対して対抗心を燃やす日々を送っています。
狂気を内に溜め込み爆発させる坂上君と違い、表に出してもあっけらかんとしている動的な狂気が彼女の特徴と言えるでしょう。
ちなみに趣味は身の周りの人物を題材とした同人小説(主に耽美系)を書くことです。
以 上